唐木仏壇の豆知識
お仏壇の豆知識/唐木仏壇の豆知識
唐木仏壇の豆知識
~お仏壇の豆知識~
古来より黒丹、紫檀、鉄刀木などの銘木を材料に制作された唐木仏壇です。
唐木材料は天然素材であり、今日では伐採制限もあって貴重な資源です。
一本のお仏壇をまるまる紫檀や黒檀で製作すると非常に高価なものになります。
現在のお仏壇大半は芯材に別の木材を使い、銘木を張ってつくられています。
製品の価格を抑えるという目的の他に、木材の割れや狂いを防ぐといった目的もあります。唐木は自然素材なので、無垢のままでは反ったり割れてしまうことがありますが、違った木材を芯材として唐木材料を貼り付けることによって防ぐことが出来ます。
近年ではこれらの銘木に加え、新しい素材を使用したお仏壇が制作されるようになりました。
たとえば、紙や木材チップなどを圧縮した圧縮ボードに、直接木の木目を印刷した物や、木目を印刷したビニールシートを直接圧縮ボードに貼って作られた唐木仏壇です。
銘木を材料に使用しない為、価格を抑える事が出来ますが、その反面、これらの工法で制作されたお仏壇は塗装による着色がされている為、日の当たり具合や長い歳月のうちの変色してしまう恐れがあります。
また、紙や木材チップを材料に作られた圧縮ボードは、水分に弱く修復が困難という問題があります 。
ここでは唐木仏壇の製造工程により品質の違いをご紹介します。
新工法の唐木仏壇
【新工法の唐木仏壇】
紙や木材チップなどを圧縮した圧縮ボードに、直接木の木目を印刷した物や、木目を印刷したビニールシートを直接圧縮ボードに貼り付ける工法で製造された唐木仏壇です。
見た目は綺麗に仕上がりますが、色あせや修復が困難と言う欠点があります。
価格が安くチラシやカタログ販売、訪問販売等でよく用いられるお仏壇です。
塗装工法の唐木仏壇
【塗装工法の唐木仏壇】
安価な木材に塗装をして黒丹、紫丹などに見せる工法で製造された唐木仏壇です。
天板や羽目板などにボードが多少使用されます。
練工法の唐木仏壇と比べると価格が安くなります。
杢張工法の唐木仏壇
【杢張工法の唐木仏壇】
厚さ0.1~0.2mm程にスライスした唐木を芯材に張り合わせる工法で製造された唐木仏壇です。
天板や羽目板などにボードが多少使用されます。
練工法の唐木仏壇と比べると価格が安くなります。
前練工法の唐木仏壇
【前練工法の唐木仏壇】
天然の銘木を1分~2分(3mm~6mm)程度に製材し、図のように芯材に高圧プレスで練りつける工法で製造された唐木仏壇です。
芯材と銘木がはがれる心配も無く、見た目にも落ち着きのある質感が出てきます。
この工法から順にお仏壇のレベルも価格も上がってきます。
二方練工法の唐木仏壇
【二方練工法の唐木仏壇】
図のように芯材の前後から高圧プレスで練りつける工法で製造された唐木仏壇です。
お仏壇に使用する天然素材の使用量も増え、狂いや割れを防ぎます。
三方練工法の唐木仏壇
【三方練工法の唐木仏壇】
前練り、二方練り同様、芯材の3方から銘木を高圧プレスで練りつける工法で製造された唐木仏壇です。
これ位の品になりますと、お仏壇内部にも工夫を凝らし手を掛けてきます。
四方練工法の唐木仏壇
【四方練工法の唐木仏壇】
芯材を四方から囲むように銘木を高圧プレスで練りつける工法で製造された唐木仏壇です。
お仏壇に無垢材を使用する量が増え重厚さや荘厳が増します。
また製作にも高度な技術が必要になります。
総無垢の唐木仏壇
【総無垢の唐木仏壇】
しっかりと乾燥させた、天然の銘木のみを用いて製造された唐木仏壇です。
高度な技術と工夫を凝らし、極上品の唐木仏壇です。
ドッシリとした重みがお仏壇に出てきますが、湿度、乾燥が多いと絶対に割れない、狂いが出ないとは言い切れません。
唐木使用方法
上記の唐木の使い方は、主に戸軸部分の処理について言われるものです。
唐木仏壇の値段は、使用される銘木の量によってお仏壇の価格が決まってきます。
芯材には、朴の木・マメ科のセピター・ノボタン科のジョンコンのほか、合板・MDFボードなどが使用されます。